被害者が民事裁判で不当利得返還請求を起こさなければ、返してもらうことさえ認められないのです。

詐欺で取られたお金はどうなる?

毎日のようにメディアで取り沙汰されている詐欺。
その手口や被害額を報道しても、その後の追跡調査のようなことはあまり聞きませんよね?

 

人を騙して得た詐欺のお金は、その後どうなるのでしょう?

 

 

詐欺で取られたお金は被害者に戻る?

戻って欲しいですよね。
しかしながら残念なことに、そのほとんどは回収できない、戻ってこないというのが実情のようです。たとえ犯人が警察に逮捕されたとしても。

 

どうして戻ってこないの?

 

例1:大掛かりな組織犯罪の場合

詐欺集団が個々の役割を振り当てられ、「詐欺」というシステムの一部として働いています。
そのため、全容を知る者は極限られた一部の人間だけで、実際に被害者と接触する人物は中には自分が詐欺の一端を担いでいることさえ気づかない場合も。

 

そうして集められ、吸い上げられたお金は段階を経て、なんと合法的な収益とされて収まってしまうのだとか。マネー・ロンダリングという言葉、聞いたことがありますよね。出どころの不確かなお金を、架空会社や海外を経由することで誰憚ることの無いお金に替えるのです。もちろん、税金だって納めていることも!

 

例2:個人の場合

結婚詐欺や借金の踏み倒しなど、個人で詐欺行為をされた場合でも、ほとんど被害金額が戻ってくることはないようです。
意図的に詐欺を仕掛ける人間は、元々お金を騙し取ることが目的なので返すつもりなど最初からありませんよね。

 

もうひとつの「ちょっと貸して」という寸借詐欺も、悪意があれば前者と同じ。
悪意がなくても人にお金を借りなければならない状況にあること自体、すでに答えは出ているように見えませんか?

 

 

刑事と民事

犯人が捕まった場合、警察に被害届を出している人には、逮捕されたことが連絡されます。
「これでお金が返ってくる」とホッとしたいところですが、それとこれとは別なんですね。

 

刑事事件として扱われる罪は、その行為です。
お金を被害者に返すことを強制することは、実は警察ではできないのです。ではどうするのか?

 

被害者は「不当利得返還請求」という民事裁判を起こさなければ、返してもらうことさえ認められないのです。つまり「あなたは間違いなく被害者で、加害者に○○円の請求権があります」と正式に判断されるわけです。だからと言って、お金が返ってくるとは限りません。

 

加害者がそのお金を遊興費で使ってしまった場合、なんと!返せないので被害者は泣き寝入りになります。よくニュースで「パチンコで使った」「競馬で使った」と言われるのは、ここに理由がありそうですよね。

 

ただし、「借金の返済に充てた」「生活費として使った」などの場合は、返さなければならないのですが、大抵すでにお金は無いです。

 

詐欺によって取られたお金は、結果的に戻ってこない率の方が高いようです。不法に踏みにじられたのに、被害者は最後まで合法でなければいけないとは、少々疑問が残る我が国の法律ではあります。